抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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情報化社会の進展の中で生きる子供たちにとって,情報モラル教育は不可欠である。本研究の目的は,情報モラル教育の重要性が叫ばれる背景や児童生徒が巻き込まれる情報機器に関わる多様な問題を受け,道徳授業における情報モラル教育の読み物資料に関する現状の分析と課題を整理するとともに,開発のための基礎研究とすることである。情報モラル教育の教材や資料に関して,インターネットを利用して全国的な検索を行い,内容と現状を整理した結果,次の2点が特徴や課題としてみられた;(1)道徳教育で活用できる読み物資料の開発には,専門性と時間をかなり要する。情報モラル教育は,学校の全ての教師が道徳の時間をはじめ学校の教育活動全体を通じて行うことが大切であるが,道徳の時間に活用できる資料が限られており,十分ではない。(2)資料開発の際に,「道徳の時間は,道徳的実践力を育成する時間」であり,情報機器の使い方やインターネットの操作,危機回避の方法やその際の行動の具体的な練習に主眼をおくものではないことに留意しなければならないが,現在ある多くの資料は,特別活動や総合的な学習の時間,技術等での使用を目的とするものが多く確認された。このような点からも,資料開発を行う際に,ただ危険性を教えるだけの道徳の資料でなく,問題場面等で多面的・多角的に考えながら道徳的に判断できる力を養う資料が望まれる。例えば,道徳の教科化に伴い,道徳科の指導方法の1つとして取り上げられている問題解決的な学習に資するものを目指していくこととする。その際に,現代的な課題であるスマートフォンやSNS,電子マネーの問題を取り上げながら,その中で情報モラル教育の2領域である心を磨く領域や道徳科の内容項目を確認していくこととする。