抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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六ヶ所再処理工場からは,KR-85,トリチウム,炭素-14及びヨウ素-129・131などの放射性気体廃棄物及び放射性液体廃棄物が放出されている。モニタリングにおける線量評価の妥当性を裏付けるとともに必要に応じて改善に資するために,平成19年度から,環境試料中のトリチウム,炭素-14及びヨウ素-129について調査を開始した。本報告は,平成27年度の調査結果について,取りまとめたものである。測定方法は,次のとおりである;(1)トリチウム:牛乳については,減圧蒸留法により精製したは,液体シンチレーション計測法により測定した。(2)C-14:試料を真空凍結乾燥後,高圧酸素下で燃焼し,生成した二酸化炭素から触媒によりベンゼンを合成し,液体シンチレーション計測法により測定した。(3)I-129:加速器質量分析装置を用いて,I-129とI-127の原子数比を測定した。また,ICP質量分析法により安定ヨウ素を定量した。これらによって求めたI-129/I-127原子数比と安定ヨウ素濃度から,環境試料中のI-129濃度を求めた。(4)I-131:Ge半導体検出器により測定した。平成27年度の調査において,陸上試料中のトリチウムについては,近年の大気及び雨水中トリチウム濃度と同程度であった。魚類の組織自由水トリチウム(TFWT)は,全て検出限界以下であった。C-14比放射能は,全ての試料において平成19・20年度のような高い値がみられず,平成18年度めでの経年変化から推定されるバックグランドレベルと同程度であった。I-129は,葉菜類,海藻類ともにI-129/I-127原子数比が大気圏核実験後のバックグランドレベルと同程度であり,平成19及び20年度より低下傾向であった。I-131については,全ての試料において検出限界以下であった。