抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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貝形虫類(甲殻類:節足動物)の特徴は,二枚貝のような背甲であり,閉殻時には体全体を完全に包み込む。貝形虫類は,石灰化した背甲を持ち,その遺骸が大量に化石として残っている。そのため,現生生物学と古生物学の両面からアプローチが可能である。現存する貝形虫類は分節していないものが多いが,以前には分節していたものが進化と伴に合体節化したものと考えられる。背甲には感覚子孔があり,この感覚子孔の分布パターンは成体で種ごとに異なる。この感覚子孔の個体発生を用いる手法によって,種間,属間,科間の高次分類群間の推定にも用いられる可能性が示唆されている。背甲の蝶番構造は,伝統的に考えられているより高い分類のためには重要な特徴である。しかし,底生性種の中には,堆積物粒子の間にできる空間で生活できるものを間隙性貝形虫類と呼ぶ。現生間隙性貝形虫類と系統的に近い化石は,石炭紀に見ることが出来る。だが,明確に間隙性種とみられる化石は白亜紀以降に出現する。貝形虫類系統発生は異時性の概念の導入によって新しい局面が現れている。貝形虫類の進化の傾向に新規発見が見られると思われる。現地調査では,間隙性貝形虫類の生息は堆積物粒子の大きさに制約され,粗粒体積物が多い汀線付近での間隙性貝形虫類は体サイズが比較的大きく,陸側へ行くにつれて体サイズの小さなものが優占した。