近年,日本においては高度経済成長期に建造された構造物の老朽化が問題となっており,経済的合理性に基づき保全を行う手法が必要とされてきている。合理化手法の一つとして注目されているのがリスクを指標とした確率的な手法である。リスクに基づくメンテナンスをリスクベースメンテナンス(Risk Based Maintenance,RBM),リスクに基づく検査をリスクベース検査(Risk Based Inspection,RBI)と呼ぶ。本稿では,RBMおよび用いられているベイズの定理および筆者らが取り組む状態モニタリングによるリスク評価手法について紹介する。(著者抄録)