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J-GLOBAL ID：201702231932638372   整理番号：17A1478584

補光による明期延長が中玉トマト ‘シンディスイート’ の尻腐れ果発生および果実中のCa濃度に及ぼす影響

Incidence of Blossom-end Rot in Relation to Ca Concentration in Medium-sized Fruit Tomato Cultivar ‘Cindy Sweet’ as Affected by Elongated Light Period with Supplemental Lighting

著者 (6件)： 大山光男 (岡山大学大学院環境生命科学研究科) ,  吉田裕一 (岡山大学大学院環境生命科学研究科) ,  VINH TRAN Duy (岡山大学大学院環境生命科学研究科) ,  田中義行 (岡山大学大学院環境生命科学研究科) ,  安場健一郎 (岡山大学大学院環境生命科学研究科) ,  後藤丹十郎 (岡山大学大学院環境生命科学研究科)
資料名： 園芸学研究  (Horticultural Research (Japan))
巻： 16  号： 3  ページ： 279-286(J-STAGE)  発行年： 2017年 
JST資料番号： L4829A  ISSN： 1347-2658  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 秋作において補光で明期を約16時間に延長することにより長日条件がトマト果実中の水溶性Ca濃度と尻腐れの発生に及ぼす影響を調査した.中玉トマト ‘シンディスイート’を用い,園試処方のCa/K比のみを変更した低Ca濃度(1/4Ca, 1/8Ca)培養液を給液した.400 Wメタルハライドランプ2灯により草冠で60~168 μmol・m^-2・s^-1(PPFD)の範囲で補光を行った結果,非補光区に比べて補光区で尻腐れ果の割合が顕著に増加し,正常果率は低下した.果実中の水溶性Ca濃度と全Ca濃度はいずれも補光により低下した.果実の肥大速度に補光の有無による差異は認められなかったが,葉の気孔コンダクタンスと補光強度との間には正の相関関係が確認された.つまり,日没後も補光期間中は葉からの蒸散が継続し,木部導管を通じた果実へのCa転流が抑制されたと考えられる.以上のことから,晩春から盛夏期には,高温と強日射による果実肥大速度の上昇とCa要求量増大に加えて短い暗期が木部導管流による果実へのCa転流を抑制することも尻腐れ果発生率を高める大きな要因の一つと考えられた.(著者抄録)

シソーラス用語： *トマト ,  *植物生理病 ,  果実【器官】 ,  *カルシウム ,  組織中濃度 ,  光 ,  光照射 ,  長日処理 ,  葉 ,  気孔抵抗 ,  蒸散 ,  植物成長 ,  成熟 ,  転流【生体】 ,  栽培管理 ,  速度 ,  *尻腐れ ,  果実肥大 ,  植物生理
準シソーラス用語： シンディスイート ,  補光 ,  蒸散速度

著者キーワード (10件)： Ca転流 ,  長日 ,  蒸散速度 ,  メタルハライドランプ ,  木部導管 ,  Ca translocation ,  long-day ,  metal halide lamp ,  transpiration rate ,  xylem vessels

分類 (2件)： 野菜  (FC03043X) ,  植物生理学一般  (EH02010Y)

引用文献 (21件)：

• de Freitas, S. T., M. Padda, Q. Wu, S. Park and E. J. Mitcham. 2011. Dynamic alternations in cellular and molecular components during blossom-end rot development in tomatoes expressing sCAX1, a constitutively active Ca²⁺/H⁺ antiporter from Arabidopsis. Plant Physiol. 156: 844-855.
• Guichard, S., G. Gary, G. Leonardi and N. Bertin. 2005. Analysis of growth and water relations of tomato fruits in relation to air vapor pressure deficit and plant fruit load. J. Plant Growth Regul. 24: 201-213.
• Hepler, P. K. 2005. Calcium: Regulator of plant growth and development. Plant Cell 17: 2142-2155.
• Ho, L. C., R. Belda, M. Brown, J. Andrews and P. Adams. 1993. Uptake and transport of calcium and the possible causes of blossom-end rot in tomato. J. Exp. Bot. 44: 509-518.
• Ho, L. C. and P. J. White. 2005. A cellular hypothesis for the induction of blossom-end rot in tomato. Ann. Bot. 95: 571-581.

タイトルに関連する用語 (6件)： 補光 ,  明期 ,  トマト ,  尻腐れ ,  果実 ,  Ca