抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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動力式トルクレンチを用いて大型ボルトを頭部側から締め付けたとき,ナット側から締め付けた場合に比べてボルト軸力が低めとなる現象について,力学的な観点から考察し,締め付け実験を実施した結果,次に示す結論を得た。1)締め付け時に発生する反トルクによってボルト頭部とナット座面がすべり,ボルト軸部がボルト穴表面に接触すると,締め付けトルクの一部が摩擦仕事として消費されるために軸力が低めとなる。2)ボルト頭部座面とナット座面にすべりが発生する条件式を,反力アームの長さと締結部接触面の摩擦係数を用いて表した。摩擦係数については,概ね0.47以下になるとすべりが発生しやすくなる。3)ボルト軸部が接触した状態で締め付けた場合のトルク-軸力関係式を導き,摩擦係数,反力アームの長さなどを種々変化させた結果,同じ条件のナット側締め付けと比較して,軸力が最大で10%程度低くなる可能性があることを示した。4)ボルト軸部が穴表面に接触したとき,(反力アームの長さが短い),(ボルト頭部とナット座面のすべり方向の摩擦係数が小さい),(ボルト軸部と穴表面間の摩擦係数が大きい),(締め付け過程におけるねじ面とボルト頭部座面の摩擦係数が大きい)の場合に,軸力低下現象が顕著になることを示した。5)締め付け実験により,ボルト軸部が接触すると軸力が8%前後低くなることを示した。