抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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大陸間オゾン(O
3)輸送は,O
3大気汚染影響の地理的範囲を広げ,局地大気汚染対策をより難しくする。Air Quality Modeling Evaluation International Initiative(AQMEII-3)フェーズ3では,全球モデルとともに領域規模大気モデルを用い,大陸間輸送の地域大気質への寄与を調べた。領域モデル内で全球モデルからO
3をトレースするための方法を調べた。RTCMCというビルトイントレーサモジュールを用い,北アメリカのモデリング領域の境界条件(BC)O
3からの寄与を追跡するためにCAMx光化学反応格子モデルを用いた。RTCMCでは化学反応性トレーサを用い,また,沈降がO
3の唯一シンクである不活性トレーサを用い,BCの寄与を追跡できる。不活性トレサアプローチでO
3分解化学反応がないことで10ppbを超える過大評価バイアスに通じた。RTCMCの柔軟性により,鉛直BC層グループによるO
3寄与を追跡できた。米国でのO
3の季節平均の日最大8時間平均(MDA8)への最大のBC寄与は,上部対流圏-下部成層圏からの少しの寄与を伴い(数ppb),中部対流圏(40ppb)からであることがわかった。下部対流圏からの寄与は,内陸の非常に遠くには達しないことを示した。2010年の最も高いMDA8 O
3の30日間にデンバーで平均57ppbに達した米国東部より西部でのより高い寄与は,局地ないし広範な米国の排出削減のみに基づく大気質対策アプローチに,大きな課題があることを示した。山間西部のMDA8 O
3への大きなBCの寄与は,領域モデルがBCsにおけるどのようなバイアスと誤差にも特に敏感であることを意味する。アジアにおける20%低い排出量への応答での低いBC O
3による感度シミュレーションで,すべての季節の米国西部と秋冬の米国全土で,BC O
3変化と地表O
3変化のほぼ直線関係を見出した。しかし,地表O
3減少は,春に1ppb未満,他季節に0.5ppb未満と小さかった。(翻訳著者抄録)