抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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日本の古建築にみられる「舌」と十二世紀に中国で刊行された『営造法式』にある「燕尾」はともに肘木端部のデザイン要素である。東アジアにおけるその時代区分については,三世紀末までの舌の古形期,二世紀から八世紀にかけての舌を中心とした脱化期,八世紀から十二世紀ごろまで燕尾の時代である余韻期の三つの段階が見られる。伝搬のルートについては,始まりとなる舌の古形は中国の中原ー東部地方の中原文化圏で生まれたと見られ,後に北部の遼燕文化圏の地域へ伝わり,さらに朝鮮半島,日本に伝わったと考えられる。様式の視点では,舌の幅が肘木の約二分の一に取る「半幅の舌」と,幅が顕著に広い肘木の幅をほぼ埋め込む「広幅の舌」の二種類に分けられる。この様式的区別から時代性の特徴が見られ,日本では山田寺跡と薬師寺東塔の広幅の舌ではより古い様式であるのに対して,法隆寺金堂・五重塔における半幅の舌は様式的に時代の下がったものと考えられる。