抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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我々は農業従事者の作業負荷軽減や知識伝承を助けるため,フィールドサーバを用いた圃場管理システムの開発を行っている。本稿では,フィールドサーバの導入障壁である運用費用を削減する目的で,回線使用料が不要な無線ネットワークの構築を検討した結果を報告する。昨年12月に稲作圃場で基本通信特性調査を行った結果,通信距離および実圃場での活用容易性の観点から通信規格LoRaが最適であると判断した。そこでLoRaを用いたネットワーク構築手法について検討を行った。フィールドサーバは圃場で動作させるため,低消費電力で稼働することが望まれる。これを実現する間欠動作通信プロトコルについて詳細に検討し,農業従事者の要求である田植えから稲刈りまでの6ヶ月間モバイルバッテリーで稼働可能な低消費電力プロトコルを開発した。提案したネットワーク構築手法を用いてネットワークを構築し,検証を行った。結果,親機とフィールドサーバ間でデータのやり取りが想定通りに行われていること,特にフィールドサーバからデータを受信できなかった場合においても,再送処理を行うことでデータを親機が受信することを確認できた。フィールドサーバの消費電力量を算出した結果,1日あたり75.36[mW]であり,理論上995日の稼働できることを確認した。農作業の負荷軽減のためには,フィールドサーバにかかるメンテナンスの頻度は低いことが望ましく,995日の連続稼働という性能は稲作作業のモニタリングには十分な稼働時間である。(著者抄録)