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J-GLOBAL ID:201702235811064270   整理番号:17A1370310

がんの薬剤依存性には,ERK2に依存した表現型転換が介在している

Cancer drug addiction is relayed by an ERK2-dependent phenotype switch
著者 (11件):
資料名:
巻: 550  号: 7675  ページ: 270-274  発行年: 2017年10月12日 
JST資料番号: D0193B  ISSN: 0028-0836  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 短報  発行国: イギリス (GBR)  言語: 英語 (EN)
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治療薬に対して抵抗性を獲得した腫瘍がその薬剤に依存性を示すという観察結果が,培養細胞や動物モデル,患者から得られており,この脆弱性をがんの治療に応用できる可能性が提起されている。しかし,こうした薬剤依存性を臨床に役立てるには,まずその根底にある機構を明らかにしなければならない。我々は,セリン/トレオニンプロテインキナーゼBRAFの阻害に抵抗性と依存性の両方を示す黒色腫細胞で,偏りのないCRISPR-Cas9ノックアウトスクリーニングを行い,それらのゲノム中で機能を手掛かりに「依存性遺伝子」を探した。本論文では,ERK2キナーゼと転写因子JUNBおよびFRA1からなるシグナル伝達経路について報告し,この経路を破壊すると依存性の腫瘍細胞が治療の中止後も生き延びられることを明らかにする。この現象は培養細胞とマウスの両方で観察され,獲得された薬剤抵抗性の機構とは無関係だった。黒色腫細胞および肺がん細胞では,投薬中止によって細胞死が誘発される前に,ERK2に依存した特定の表現型転換とともに上皮間葉転換によく似た転写の再プログラム化が起きていた。黒色腫細胞では,この再プログラム化が系譜生存的がんタンパク質(lineage survival oncoprotein)である小眼球症関連転写因子(MITF)の発現を停止させている。MITFの発現を回復させると,表現型転換が元に戻り,薬剤依存性に関連する細胞死が防がれた。BRAF阻害剤での治療中に黒色腫が進行した患者では,治療の中止後,表現型転換と関連する受容体チロシンキナーゼAXLの発現が上昇した。薬剤の投与中止は,MITFとその生存促進性標的であるBCL-2をさらに抑制し,がん細胞でのDNA損傷を誘発することにより,黒色腫の化学療法薬剤ダカルバジンと相乗効果を示す。これらの結果により,がん細胞における薬剤依存性の基盤となる経路の1つが判明した。これは,薬剤抵抗性のがんで臨床応答を亢進させる,交互治療戦略の使用に役立つ可能性がある。Copyright Nature Japan KK 2017
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分類 (2件):
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腫ようの化学・生化学・病理学  ,  皮膚の腫よう 
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