抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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テンサイ育苗における軽量化培地として一部で普及している籾殻培地について,籾殻が紙筒の紙質に及ぼす影響について調査した。(1)紙筒培養において,籾殻培地は慣行培地に比べて,育苗後の紙筒に対する分解が有意に少なく,紙の強度および分解耐性は有意に高かった。しかし,紙筒内の培地全体を調査すると,籾殻培地は慣行培地に比べてセルラーゼの活性に差はなかった。(2)上記の要因を調査するため,紙筒の近接部と遠部の培地を別々に採取して,セルラーゼ活性を比較した。結果,紙筒近接部は,籾殻培地よりも慣行培地がかなり高く,この局所的なセルラーゼ活性の上昇のために慣行培地の紙の分解が多かったと考えられた。(3)この要因について,籾殻培地は籾殻の一部の分解に伴う窒素競合により,慣行培地に比べて特定の土壌微生物が優占しにくく,多様性が維持され,紙筒や根の有無に対しても微生物群集構造が安定していることにより,紙筒育苗条件において紙に接する部位でセルラーゼ活性が特異的に活発化しなかったためと推察した。(著者抄録)