抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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代表的な科学実験の一つである有機化学実験は,発火性,有害性の高い化学物質を多く使用し,割れやすい形状のガラス器具も多く使用する。また,蒸留など習得すべき実験操作の数が他の科学実験に比べて圧倒的に多い。そのため,有機実験は「成功するように実験操作系を組み立てられている」にも関わらず,もっとも事故が多く,また器具の破損も多い。また年々,学生実験費用は運営費交付金の減額に伴い減らされている中,化学薬品の環境測定基準はどんどん厳しくなっている。本論文では,本校の有機実験の中で最も危険でコストがかかる求核置換反応(S
N2)の改良について報告する。本実験では,出発原料をブタノールから危険・有害性の低い1-オクタノール(化学物質排出把握管理促進法第一種指定化学物質)に変更し,濃硫酸による副生成物の除去操作(分液漏斗を用いた実験操作)をなくすことに成功した。この1-オクタノールの実験系では,1-ブタノールを使った反応に比べて反応率が多少低い(70%)が,出発原料量を4分の1,また使用する濃硫酸量を10分の1など全体で60%コスト削減に成功し,また小スケール実験系を確立した。(著者抄録)