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J-GLOBAL ID:201702240413853058   整理番号:17A0045561

ダリア花弁の黒色発現への主要アントシアニン4種の寄与度の定量的評価

Quantitative Evaluation of the Contribution of Four Major Anthocyanins to Black Flower Coloring of Dahlia Petals
著者 (5件):
資料名:
巻: 85  号:ページ: 340-350(J-STAGE)  発行年: 2016年 
JST資料番号: F0626A  ISSN: 2189-0102  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: 日本 (JPN)  言語: 英語 (EN)
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ダリア(Dahlia variabilis)の黒色の花色は,シアニジン(Cy)系アントシアニンの大量集積によって発色することが示唆されている。この影響に関して,可能性として,Cy系アントシアニンが花弁の明度(L*)及び彩度(C*)を低下させることによって,ペラルゴニジン(Pg)系アントシアニンよりもより強く黒色の花色発現に寄与しているとの説明ができるが,これまでにはっきりとは証明はされていない。本研究では,ダリアの花弁に含まれる主要なアントシアニン,Pg及びCyの3,5-ジグルコシド(3,5diG)と3-(6’’-マロニルグルコシド)-5-グルコシド(3MG5G)を純化し,in vitro条件下で,各種pH条件(3.0,4.0,4.5,5.0,5.5,6.0,7.0)及び濃度条件(0.25,0.5,1.0,2.0,3.0mg/mL,pH5.0pH3.0)を設定して,その色を調べた。純化したアントシアニンの溶液の色は,pHによって変化した。pH5.0,これはダリアの花弁のpHとほぼ同じ,及びpH3.0でアントシアニンは比較的安定していて,Cy3,5diGのL*値とC*値は,Pg3,5diGの場合と同様か高く,Cy3,5diGの方がPg3,5diGよりも黒色の花色発現に対する寄与度が大きいとは言えなかった。一方,Cy3MG5GのL*値とC*値は,Pg3MG5Gの場合よりも,特に濃度が2.0mg/mL以上の場合,有意に低く,Cy3MG5Gは黒色花色の発現により大きく寄与していることが示された。同じ傾向は,PgとCyの配合比を変えた混合溶液の色の測定でも観察された。Pg3MG5GのL*値とC*値は,それ以外の3種のアントシアニンの場合よりも高く,黒色の花色発現には最も寄与度が低いと考えられた。供試した9品種のすべてで,Pg系,Cy系の比率は異なったが,3MG5G型アントシアニンは,5diG型アントシアニンよりも含量が高かった。以上の結果から,3MG5G型アントシアニンが花弁中に多く集積すること,Cy3MG5G3が,Pg3MG5GよりもL*値とC*値の低下に大きく関与し,Cy系アントシアニンの集積がダリアの黒色の花色発現に必須であることが示された。アントシアニンの寄与度は,構造によって異なると考えられるので,L*値とC*値を大きく低下させるアントシアニンを同定し,それを花弁に多く集積させることで,いろいろな植物種で黒色の花を生じさせることができると考察された。(翻訳著者抄録)
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著者キーワード (3件):
分類 (3件):
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花き・花木  ,  植物の生化学  ,  発生,成長,分化 
物質索引 (4件):
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引用文献 (36件):
  • Asen, S., R. N. Stewart and K. H. Norris. 1972. Co-pigmentation of anthocyanins in plant tissues and its effect on color. Phytochemistry 11: 1139-1144.
  • Brouillard, R. 1983. The in vivo expression of anthocyanin colour in plants. Phytochemistry 22: 1311-1323.
  • Brouillard, R. 1988. Flavonoids and flower colour. p. 525-538. In: J. B. Harborne. (ed.). The flavonoids. Chapman and Hall, London.
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  • Cabrita, L., T. Fossen and Ø. M. Andersen. 2000. Colour and stability of the six common anthocyanidin 3-glucosides in aqueous solutions. Food Chem. 68: 101-107.
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