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J-GLOBAL ID:201702240526339721   整理番号:17A0618380

ヒト多能性幹細胞は頻繁にP53のドミナントネガティブ変異を獲得し,それを増幅する

Human pluripotent stem cells recurrently acquire and expand dominant negative P53 mutations
著者 (36件):
資料名:
巻: 545  号: 7653  ページ: 229-233  発行年: 2017年05月11日 
JST資料番号: D0193B  ISSN: 0028-0836  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: イギリス (GBR)  言語: 英語 (EN)
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ヒト多能性幹(hPS)細胞は,無制限に自己複製することができるため,再生治療ための細胞供給源として関心を集めている。この増幅能は,培養条件下で増殖に有利な変異細胞をもたらす大規模なコピー数多型の獲得と関連がある。培養hPS細胞における他の獲得されたゲノム塩基配列変異について,その性質,程度および機能的な影響については分かっていない。本研究で我々は,独立した140のヒト胚性幹(hES)細胞株のタンパク質コード遺伝子(エキソーム)の塩基配列解読を行った。その内の26株は将来的な臨床利用のために準備されたものである。そして計算手法を用いて,各hES細胞株の細胞亜集団に存在する変異を明らかにした。このような細胞でのモザイク変異は通常はまれだが,我々は5つの無関係なhES細胞株で,がん抑制因子P53をコードするTP53遺伝子に6つの変異を見いだした。我々が見つけたこれらのTP53変異はドミナントネガティブであり,ヒトのがんで最もよく見られる変異である。TP53変異対立遺伝子の割合が,標準的な培養条件下で継代数に伴って増加することから,P53変異は選択に有利に働くことが示唆された。次に,公開されている117のhPS細胞株のRNA塩基配列データを調べたところ,他にも9つのTP53変異が見つかり,いずれにおいてもP53のDNA結合ドメインのコード配列に変化が起きていた。3つの細胞株では,TP53変異対立遺伝子の割合は50%を超えており,TP53座位でのヘテロ接合性の消失により,さらに選択に有利になったことが示唆される。hPS細胞におけるがん関連変異の獲得と増幅は,ほとんどの応用事例で気付かれない可能性があるため,臨床応用を行う前には,hPS細胞とその分化誘導細胞の遺伝的特性を慎重に調べる必要があると考えられる。Copyright Nature Japan KK 2017
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分類 (3件):
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JSTが定めた文献の分類名称とコードです
遺伝的変異  ,  細胞・組織培養法  ,  細胞分裂・増殖 

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