抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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松本によって1927年に記載されたElephas maximus buskiの模式標本と引用された臼歯,名古屋の東別所寺院から槇山によって1938年に記載された同一亜種と推定される臼歯について,AMS(加速器質量分析)年代測定法で検討した。模式標本(IGPS7266)は1676年から1941年の間の4つの期間のいずれかであると年代測定され,1732-1777年がもっともあり得る(40.7%の可能性)との結果が出た。引用された標本(IGPS5845)の年代は1784-1796年(39.4%の確率),そして東別所寺院の標本の年代は1454-1494年(52.9%の確率)がそれぞれもっとも妥当とされた。したがって,模式標本も含めて今回の標本は化石ではない。歴史記録によればこれらの時期に日本にはアジア象は日本には生息していなかった。これらの臼歯は歴史時代になんらかの形で日本に輸入されたものであり,現存するアジア象E. maximusから識別される亜種を代表するものではない。名目だけのE. maximus buskiは明らかに無効であるが,本研究ではアジア象の現存する3亜種のいずれがE. maximus buskiのシノニムであるかは明確にならなかった。(翻訳著者抄録)