抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
K中間子のフレーバを変える中性カレント(FCNC)崩壊は,新しい物理(NP)に非常に敏感で,特に,対応する観測量がCPを破るとき,将来のコライダーで調べ得るよりはるかに高い質量の粒子の仮想効果を探査することができる。このような観測量の最も重要な例は,K→ππ,およびK<sub>L</sub>→π<sup>0</sup>ν<span style=text-decoration:overline>ν</span>における間接および直接CPの破れを測定するε<sub>K</sub>およびε′<sub>K</sub>であるが,標準模型(SM)におけるε′<sub>K</sub>/ε<sub>K</sub>に対する予言は実験値と2.8σずれている。このテンションは,グルイノ-スクォークボックスダイアグラムを通じて,スクォークとグルイノの質量が1TeVよりはるかに高くても,ミニマル超対称標準模型(MSSM)の枠組みで解決し得ることが示されている。稀な崩壊K<sub>L</sub>→π<sup>0</sup>ν<span style=text-decoration:overline>ν</span>およびK<sup>+</sup>→π<sup>+</sup>ν<span style=text-decoration:overline>ν</span>は,同様に非常に高い質量スケールに敏感で,前者はCPの破れも測定する。この論文では,グルイノ-スクォークボックスダイアグラムを介するMSSMでのこのような枠組みで,ε′<sub>K</sub>/ε<sub>K</sub>,分岐比B(K<sub>L</sub>→π<sup>0</sup>ν<span style=text-decoration:overline>ν</span>)およびB(K<sup>+</sup>→π<sup>+</sup>ν<span style=text-decoration:overline>ν</span>)の間の相関を解析した。K→πν<span style=text-decoration:overline>ν</span>分岐率に寄与する主要なMSSM寄与は,スクォーク,スレプトン,チャージノ,およびニュートラリーノを用いたボックスダイアグラムから生じ,相関のパターンは,広く調べられているZペンギンシナリオとは異なる。これは,将来のJ-PARCでのKOTO,およびCERNでのNA62による精密測定の観点から興味ある。すべてのスクォーク質量が1.5TeV以上,ゲージノ質量がGUT関係式に従い,ゲージノ質量に対して1%(10%)レベルでの微細調節が許されるならば,この枠組みでのB(K<sub>L</sub>→π<sup>0</sup>ν<span style=text-decoration:overline>ν</span>)のSM予言値に対する比は2(1.2)以下,B(K<sup>+</sup>→π<sup>+</sup>ν<span style=text-decoration:overline>ν</span>)のSM予言値に対する比は1.4(1.1)以下になることがわかった。CP破れ位相を調節したものに対しては,より大きな値が可能であった。さらに,ε′<sub>K</sub>へのMSSM寄与の符号により,B(K<sub>L</sub>→π<sup>0</sup>ν<span style=text-decoration:overline>ν</span>)からそのSMの値を引いた差の符号と,右巻きアップスクォークの質量からダウンースクォークの質量を引いた差の符号が等しいという厳しい相関が課されることもわかった。