色素増感型太陽電池への応用を目指した多層カーボンナノチューブを基本とする対向電極に対するナノチューブの形態の影響

ZHAO Jing; MA Jing; NAN Xi; TANG Bin

文献

J-GLOBAL ID：201702241958181672 整理番号：17A0591539

色素増感型太陽電池への応用を目指した多層カーボンナノチューブを基本とする対向電極に対するナノチューブの形態の影響

Effect of Nanotube Morphologies on Multi-Walled Carbon Nanotubes Based Counter Electrode for Dye-Sensitized Solar Cells

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資料名：
巻： 17 号： 1 ページ： 788-795 発行年： 2017年01月
JST資料番号： W1351A ISSN： 1533-4880 CODEN： JNNOAR 資料種別：逐次刊行物 (A)
記事区分：原著論文発行国：アメリカ合衆国 (USA) 言語：英語 (EN)

色素増感型太陽電池(DSSC)は低コスト,高い電力変換効率(PCB),環境親和性,良好な弱光効果および容易な製造プロセスなどのために,世界的に注目されている。DSSCは市販の結晶シリコン太陽電池に代わる有望な代替物と考えられている。太陽電池の性能を向上させるために,DSSCの各要素について様々な研究が行われてきた。対向電極(CE)はDSSCの重要な構成要素の1つで,その主な機能は光陽極から電子を収集し,酸化還元電解質の還元反応を触媒することである。白金(Pt)は,その優れた電気化学的触媒活性,良好な耐腐食性,低抵抗,大きな活性面積および高い反射特性のために,CEとして最も有効な材料と考えられている。しかし,地球上におけるPtの量は非常に限定されており,そのために太陽電池の価格が高騰している。その結果,多くの研究者がDSSCの対向電極としてPtに代わる他の材料を見い出そうと努力している。Ptの代替品の中で,豊富な量,安価,優れた耐腐食性,非常に大きな比表面積,低抵抗などのために,グラフェン,カーボンナノチューブ(CNT),グラファイト,カーボンブラック,ガラスカーボン,カーボン染料などの炭素材料が幅広く研究されている。本稿では,DSSCへの応用を目指して,多層カーボンナノチューブを基本とする対向電極に対するナノチューブの形態の影響を研究した結果を報告する。本研究では,DSSCに3つの異なる形態を持つ多層カーボンナノチューブ(MWCNT)を用い,DSSCの光起電力特性に及ぼすMWCNTの長さと配向の影響を調べた。長さが10~30μmのMWCNT-L CEを有するDSSCは長さが0.5~2μmのMWCNT-S CEを持つDSSCより優れた光起電力特性を示し,長さが10~20μmで配向したAMWCNT CEを有するDSSCはMWCNT-LおよびMWCNT-Sよりも良好な光起電力特性を示すことが分かった。MWCNTの長さおよび配向の増大は,DSSCの性能を改善するのに有益であることが分かった。ドクターブレード法によって光陽極を作製し,緻密層およびTiCl₄処理を導入し,スプレーコーティング法でAMWCNT薄膜のCEを作成することによってAMWCNT-DSSCを製造し,電極およびDSSCの性能に及ぼす電極処理の影響を研究した。AMWCNTを用いたDSSCの電力変換効率は3.95%で,短絡電流密度は対向電極としてPtを有するDSSCよりも優れていることが分かった。ドクターブレーディング法による光陽極とスプレーコーティングによる対向電極との組み合わせは,DSSC総体的な性能の向上に有益であることが分かった。

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太陽電池

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