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J-GLOBAL ID:201702242793994258   整理番号:17A1207329

水環境の保全をめざした沈水植物再生の取り組みと今後の課題

Efforts and Future Challenges in the Restoration of Submerged Plants for Aquatic Conservation
著者 (4件):
資料名:
巻: 53  号:ページ: 81-93  発行年: 2017年09月15日 
JST資料番号: Z0591A  ISSN: 0910-6758  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 文献レビュー  発行国: 日本 (JPN)  言語: 日本語 (JA)
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本稿では,これまでの霞ケ浦,印旛沼および八郎湖における沈水植物再生の取り組み成果等をもとに,沈水植物の生育に与える各種環境要因の影響を検討し,今後の沈水植物再生のあり方について考察する。印旛沼では,採取した土壌シードバンクから26種の沈水植物が発芽し,再生した。これら沈水植物を地域の遺伝情報を持つ貴重な地域種資源として活用すると同時に,系統維持栽培を行っている。各種消波構造物で囲まれた沈水植物再生ゾーン(水深30~70cm)等に土壌シードバンクを撒き出し,沈水植物の再生試験を行ったところ,ヒメガマなど抽水植物の侵入,泥や浮泥の蓄積およびアメリカザリガニや水鳥などの食害により,数年で抽水植物は消失した。ヒメガマは水深70cm弱の深さまで生育することができる。一方,水深が80cmになると湖底に届く光量が低下(八郎湖では,平均光透過率4.2%)し,沈水植物の発芽・再生が抑制されることが示唆された。これらの調査結果より,現在の水質汚濁状況では,沈水植物がヒメガマ等抽水植物の影響を受けず,安定生育できる場が極めて少ないことが明らかになった。このため,流域ごとに発生源対策を一層推進し,水の透視度を高めると同時に,食害動物の適正管理手法を開発することが喫緊の課題である。また,消波構造物で囲まれた攪乱の少ない背後水域では,泥や浮泥が徐々に堆積し環境が悪化するので,沈水植物の持続的な生育には,泥や浮泥が堆積しない中規模の攪乱が必要なことも明らかになった。消波構造物の構造と開口部の長さをどのように設計すれば沈水植物の生育に最適な場が造成できるのか,これまでの試験成績等を基に,多様な環境因子を組み込んだ新たなシミュレーション手法の開発と,実証試験を組み合わせた今後の順応的管理に期待したい。
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分類 (2件):
分類
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湖沼汚濁  ,  植物生態学 
引用文献 (38件):
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