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J-GLOBAL ID:201702242830814559   整理番号:17A0156330

リンゴ酸酵素2のゲノム欠失は膵臓がんに付随的致死性をもたらす

Genomic deletion of malic enzyme 2 confers collateral lethality in pancreatic cancer
著者 (25件):
資料名:
巻: 542  号: 7639  ページ: 119-123  発行年: 2017年02月02日 
JST資料番号: D0193B  ISSN: 0028-0836  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: イギリス (GBR)  言語: 英語 (EN)
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膵管腺がん(PDAC)のゲノムではしばしば腫瘍抑制遺伝子座の欠失が見られ,特に目立つのがSMAD4であり,3分の1近くの症例でホモ接合性の欠失が起こっている。周辺のハウスキーピング遺伝子を失うことが付随的致死性をもたらす可能性があるため,我々は,SMAD4座位にある代謝遺伝子のリンゴ酸酵素2(ME2)が欠失した場合に,ME2のパラログであるME3アイソフォームをターゲッティングすると,がん特異的な代謝脆弱性が生じるかどうかの解明を試みた。ミトコンドリアのリンゴ酸酵素(ME2とME3)はリンゴ酸からピルビン酸への変換を触媒する酸化的脱炭酸酵素で,NADPHの再生や活性酸素種の恒常性に不可欠である。本論文では,ME2ヌルがん細胞でME3が重要な機能を持つことに一致して,ME3の枯渇はME2ヌルPDAC細胞を選択的に殺すことを明らかにする。ミトコンドリアのリンゴ酸酵素を欠失した細胞のメタボローム解析と分子解析とを総合すると,NADPH産生が減少した結果,活性酸素種レベルが高まるという機構が示された。これらの変化がAMPK(AMP activated protein kinase)を活性化し,このキナーゼはSREBP1(sterol regulatory element-binding protein1)を介した転写を直接抑制する。SREBP1の直接的な標的にはBCAT2(branched-chain amino acid transaminase2)遺伝子などが含まれる。BCAT2は分岐鎖アミノ酸からα-ケトグルタル酸(α-KG)へアミノ基を転移してグルタミン酸を再生する反応を触媒し,このグルタミン酸は,ヌクレオチドのde novo合成を支える働きを部分的に担っている。従って,NADPH産生の阻害につながるミトコンドリアのリンゴ酸酵素の欠失は,難治性のPDACと診断された患者の多くにとって,重要な「付随的致死性」治療戦略になる。Copyright Nature Japan KK 2017
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分類 (3件):
分類
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腫ようの化学・生化学・病理学  ,  消化器の腫よう  ,  酵素一般 
タイトルに関連する用語 (4件):
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