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J-GLOBAL ID:201702243135459820   整理番号:17A0555202

古代の歯石DNAから示唆された,ネアンデルタール人の行動,食餌および疾患

Neanderthal behaviour, diet, and disease inferred from ancient DNA in dental calculus
著者 (38件):
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巻: 544  号: 7650  ページ: 357-361  発行年: 2017年04月20日 
JST資料番号: D0193B  ISSN: 0028-0836  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: イギリス (GBR)  言語: 英語 (EN)
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近年のゲノムデータからは,ネアンデルタール人と現生人類との間の交流が複数明らかになっているが,ネアンデルタール人の行動や食餌,疾患に関する遺伝学的証拠は,現在ほとんど存在しない。今回我々は,異なる地域で出土したネアンデルタール人5個体の石灰化した歯垢(歯石)標本に由来する古代DNAについてショットガン塩基配列解読を行い,ネアンデルタール人の生態学における地域差の特徴を明らかにした。ベルギーのスピー洞窟のネアンデルタール人の食餌は肉の占める割合が非常に高く,ステップ地域に特徴的なケサイおよび野生ヒツジ(ムフロン)が含まれていた。対照的に,スペインのエル・シドロン洞窟のネアンデルタール人では肉は全く検出されず,その食餌はキノコ類やマツの実,蘚類といった森林での採集活動を反映する要素で構成されていた。食餌の差異は,口腔内の細菌群集(微生物相)の全体的な変化とも関連しており,肉の摂取がネアンデルタール人の微生物相に見られる著しい多様性に寄与したことが示唆された。エル・シドロンのネアンデルタール人の,歯性膿瘍および腸管に寄生する病原体である微胞子虫Enterocytozoon bieneusiの痕跡が見られた個体では,セルフメディケーションの証拠が見いだされた。この個体に由来するメタゲノムデータには,共生アーキアMethanobrevibacter oralisのほぼ完全なゲノムも含まれており(カバー深度10.2×),約4万8000年前というその年代は,これまでに得られている微生物の概要ゲノムとしては最古のものである。歯石に保存されているDNAは,古代のヒト族標本の行動および健康状態に関する重要な情報源であるとともに,微生物の長期的進化の研究に役立つ独特の系でもある。Copyright Nature Japan KK 2017
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分類 (3件):
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古動植物全般  ,  遺伝子の構造と化学  ,  微生物の生化学 

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