抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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モデル食品としてマルトビオン酸カルシウムを用い,ガラス転移温度(Tg)に基づいた液状食品の粘性予測について検討した。また,実在する食品としてマンゴージュースを用い,モデル食品の結果と比較した。各試料のTgは示差走査熱量測定(DSC)によって調べた。DSC測定によって得られたマルトビオン酸カルシウムのTgを水分含量に対してプロットし,Gordon-Taylor(GT)式へのフィッティング解析を行うことで,様々な水分含量でのTgを予測するができた。さらに,マルトビオン酸カルシウム水溶液の流動曲線から粘性率ηを決定した。様々な水分含量に調節したマルトビオン酸カルシウム水溶液のηの温度依存性をプロットし,Vogel-Fulcher-Tammann(VFT)式へのフィッティング解析を行い,VFT式中の定数T0を決定した。TgとT0は正の相関(R2=0.9962)があり,この相関関係によりGT式とVFT式とを組み合わせることが可能になり,様々な温度および水分含量でのηを算出できた。マンゴージュースにおいては,水分含量が高い時はニュートン流動を示し,TgとT0は正の相関にあった。しかし,水分含量が低い時,擬塑性流動を示し,TgとT0の関係は高水分含量の傾向とは一致しなかった。これは,マンゴージュースは組成が複雑であり,低水分では溶質間の相互作用が強調された結果と考えられる。