抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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ESR分光法は,距離が約10nm以下である限り,それ共通の双極子相互作用周波数を測定することによって,巨大分子上に配置された2つのスピン標識間の距離を効率的に利用することができる。この数字を大幅に増加させたいという希望は,使用可能なすべてのスピン標識がマイクロ秒の範囲に制限された位相メモリ時間(T
m)を有し,双極相互作用周波数を測定することができる制限されたウィンドウを提供するという事実によって妨げられる。したがって,標識の分離距離に対する双極子周波数の逆3次依存性により,例えば20nmのようなはるかに大きな距離を評価するためには,明らかにあらゆる希望を超えて200マイクロ秒のT
mが必要である。ここでは,スピン拡散と呼ばれる別のタイプの双極子相互作用媒介メカニズムに依存することにより,利用可能な最大測定距離を大幅に向上させる新しいアプローチを提案した。このメカニズムを操作し,スピン格子緩和時間T
1(通常はミリ秒の範囲内)で評価することができた。最近まで,固体電子スピン系におけるスピン拡散の観測は実験的に実用的でないと考えられていた。しかし,近年の開発により,強い磁場勾配を用いた高感度パルスESRによる直接測定が可能となり,これらの能力を利用する上での扉が開かれている。本稿では,スピン拡散の主題,それを直接測定する方法,スピン拡散測定から分子内スピンペア距離が20~30nmの範囲でも正確に抽出される方法に関する理論的考察を提示した。Copyright 2017 Royal Society of Chemistry All Rights reserved. Translated from English into Japanese by JST