抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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江戸時代の流通を知るには「十組問屋仲間」の結成と発展,そして分裂と衰退を知っておくことが必須条件となる。本論文では,「十組問屋仲間」結成の背景および発展の歴史について解説した。「十組問屋仲間」が結成される以前,荷受け問屋と江戸積廻船問屋の関係では圧倒的に廻船問屋の方が強かった。この関係は海難時に如実に表れ,海難損失はすべて荷主側の負担になっていたことが「十組問屋仲間」結成の由来である。「十組問屋仲間」の結成時には,江戸に店を構え上方から江戸への下り物流通を独占する構想があったと思われる。「十組問屋仲間」を結成して進められた流通革新は物流の垂直統合に他ならなかった。「十組問屋仲間」は酒樽輸送に特化した低コスト高効率の樽廻船を編み出し,従来からの菱垣廻船の積荷を奪っていた。「十組問屋仲間の所在地概要」という絵図を見ると,日本橋の中央部に大きく作られた東西堀留川の役割の大きさを理解できる。