抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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電力小売りの全面自由化から1年余りが経ったが,電力・ガス市場の活性化にむけて,次の3つのアプローチを引き続き進めていく必要がある;(1)電源のアクセス確保:(1)電源へのアクセス:電力調達は未だ相対によるものが全体の約6割を占め,日本卸電力取引所(JPEX)からの調達は1割程度のとどまっている。JPEXの流動性向上のため,電力先物市場の創設に向けて,準備が進められている。今後は,諸外国のように電力先物商品(デリバティブ)を活用して,JEPXの価格変動リスクを一部ヘッジするようなことも可能になる。(2)送電線へのアクセス確保:連系線容量を確保している小売事業者は,計画値同時同量制の下では,既存の利用計画を用いて自由に電気の調達先を差し替えることができるため,他の小売事業者に対して有利な立場となっている。この点を改めるべく,間接オークション(連系線利用を,卸電力市場を介して行う仕組み)に代表される新たな連系線利用ルールの策定も行われていく予定である。(3)非化石燃料へのアクセス確保:改正FIT(固定価格買取制度)法によってFIT電気を送配電事業者が買い取る仕組みに移行するのを契機に,JPEXに卸されるFIT電気から環境価値を切り離し,小売電気事業者に環境価値のみを移転させる市場の準備が進められている。グリーン電力証書などに代表される証書取引のイメージが想定されており,非化石電源市場で非化石証書を購入することで,小売電気事業者は二酸化炭素排出量とのオフセットが可能となる。