文献
J-GLOBAL ID:201702248697099670   整理番号:17A0865811

新たに合成された新規ルテニウムの抗血小板活性(II):Akt/JNKシグナル伝達のための潜在的役割

Antiplatelet Activity of a Newly Synthesized Novel Ruthenium (II): A Potential Role for Akt/JNK Signaling
著者 (9件):
資料名:
巻: 18  号:ページ: WEB ONLY  発行年: 2017年05月 
JST資料番号: U7038A  ISSN: 1422-0067  CODEN: IJMCFK  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: スイス (CHE)  言語: 英語 (EN)
抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
腫瘍治療において,ルテニウム錯体は白金化合物の有用な代替薬であると考えられており,そして高い有効性と少ない副作用を有する有望な抗癌剤であることが証明されてきた。血小板活性化は,癌転移と癌進行で主要な役割を果たす。そのため本研究は,新規に合成されたルテニウム錯体である[Ru(η6-シメン)(L)Cl]BF4(TQ5),ここでL=4-フェニル-2-ピリジン-2-イル-キナゾリン,のヒト血小板活性化に対する効果を調べた。TQ5(3~5μM)は,洗浄ヒト血小板において濃度依存性にコラーゲン誘導性血小板凝集を阻害した。しかし,本化合物はトロンビンと9,11-ジデオキシ-11α,9α-エポキシメタンプロトスタチンジン(U46619)誘発刺激に対して,それぞれ最大濃度500および100μMで血小板凝集を阻害しただけであった。TQ5は,細胞毒性を誘導することなく,コラーゲン誘導性のATP放出とカルシウム動員([Ca2+]i)を阻害した。さらに,アデニル酸シクラーゼ阻害剤であるSQ22536だけでなくグアニル酸シクラーゼ阻害剤である1H-[1,2,4]オキサジアゾロ[4,3-a]キノキサリン-1-オン(ODQ)も,血小板凝集のTQ5調節性阻害を有意に反転させなかった。TQ5はプロテインキナーゼB(Akt)およびc-Jun N末端キナーゼ(JNK)のコラーゲン誘導性リン酸化を阻害したが,ヒト血小板における細胞外シグナル調節キナーゼ1/2(ERK1/2)およびp38-マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(p38-MAPK)を効果的に阻害しなかった。さらにTQ5は,全血closure timeを有意に延長し,またマウスにおける血栓性血小板栓形成のocclusion timeを増加させた。本研究は,新規に合成されたルテニウム錯体であるTQ5がATP放出と[Ca2+]iを妨げることにより,またAkt/JNKシグナルの活性化を低下させることにより,強力な抗血小板活性を示すことを初めて実証した。まとめるとこれらの結果は,TQ5が定評のある抗血栓剤のアスピリンよりも非常に有効であることにより,血栓塞栓性疾患を予防または治療するのに役立つ治療薬として開発可能であることを提示する。(翻訳著者抄録)
シソーラス用語:
シソーラス用語/準シソーラス用語
文献のテーマを表すキーワードです。
部分表示の続きはJDreamⅢ(有料)でご覧いただけます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。

準シソーラス用語:
シソーラス用語/準シソーラス用語
文献のテーマを表すキーワードです。
部分表示の続きはJDreamⅢ(有料)でご覧いただけます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。

分類 (3件):
分類
JSTが定めた文献の分類名称とコードです
遷移金属錯体一般  ,  線維素溶解・血液凝固  ,  血液・体液作用薬の基礎研究 

前のページに戻る