抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本稿は自治体による中小企業支援政策の中で,特に中小企業が新規事業に進出する際の支援策の効果に関する実証研究である。大阪トップランアー育成(TR)事業を事例として取り上げ,中小企業のアンケート及びインタビュー調査により,自治体による中小企業の新規事業(イノベーション)支援政策の効果に着目して,分析している。本論文の依拠する理論的背景の1つは「知識ベース理論」であり,もう1つは「STI・DUI理論」である。「知識ベース理論」に基づけば,中小企業の新規事業の成否に大きく影響するのは,企業が組織として蓄積する知識である。例えば,中小企業が新規事業に挑戦する際に,市場情報,顧客情報,仕入先情報等,多くの情報を必要とする。「STI・DUI理論」のSTIモードとは,科学と技術を主体とした形式知化された知識を用いて社内開発するイノベーションである。DUIモードとは,顧客,仕入先との交流などによる問題解決型の経験,学習で得られる暗黙知的な知識を用いたイノベーションである。支援策の効果のパス解析モデルでは,「品質改善グループ」の効果が明確にでている。TR事業認定前後の「品質改善グループ」の活動が,「引き合わせ・問い合わせ」に影響を及ぼしている。さらに,「信用力・知名度」が「引き合わせ・問い合わせ」に大きな影響を与え,TR事業の認定を受けたことによる「信用力・知名度」の向上が大きなインパクトを持ったといえる。