抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本稿は,山縣有朋記念館所蔵の古写真に見る往時の無鄰菴庭園について報告した。先ず,名勝無鄰菴庭園(以下,無鄰菴)は,明治27年から29年(1894~1896)に作庭された山縣有朋の京都別邸であること,本研究において中心的に取り扱うのは,公益財団法人山縣有朋記念館が所有する『無鄰菴』と題された写真帖であること,本研究では,9枚の古写真を中心に他の古写真や諸資料を参照し,現状と対比して往時の無鄰菴の空間構成や園内利用,およびそれらによって醸成される本庭園に特徴的な情景的要素に着目して,往時の無鄰菴の姿に関する考察を行うこと等を報告した。次に,古写真と現状写真の比較所見,庭園構成要素に見る利用の変化及び往時の情景について報告した。更に,御賜稚松,集合写真について報告した。最後に,まとめとして,庭園内の情景的要素に関して,9枚の写真の新旧比較全般からいえるのは,樹木の生長や枯損はあるものの,写真撮影位置の特定が困難になる程の極端な変化はなかったこと,無鄰菴の往時を写すこれら9枚の古写真それぞれからは,まだ多くの情報を読み取ることができること等を報告した。