抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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地球の自転周期は1年間に1~2ms程度変動するので,時間の基準は天体現象から原子の遷移周波数に変更され,現在の秒の定義であるセシウム原子時計の最高精度は16乗台前半である。本論文では,レーザ光を原子に当てて遷移周波数の中心を得て,標準とする光原子時計について解説した。情報通信研究機構ではストロンチウム原子の光学遷移を利用した光原子時計の方式「光格子時計」を研究しており,現在世界最高精度の17乗台の不確かさとなっている。また,2016年4~9月まで光格子時計を利用して時刻系信号を生成する実験を行い,現在の日本標準時で利用している水素メーザー原子時計の周波数ドリフト特性を評価した。さらに,得られた時刻系信号を国際原子時に対する時刻差して示し,国際度量衡局が後処理で発表するより正確な時刻系と,生成した信号がよく一致していることを説明した。国際原子時はあくまで計算結果であって,現行の日本標準時に対して1桁以上の性能を向上させ,リアルに1秒1秒を刻む信号が生成できる意義を論じ,日本の時制が光格子時計を参照する時代を展望した。