抄録/ポイント：
抄録/ポイント
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日本の農家における後継者の不足は,家族の後継者への在来型の継代に代わるものとして,非家族メンバーへの農業継承の重要性の認識を増加させ,農業への新規加入者の負荷を緩和することも期待される。しかし,次のように課題が示された。最初に,後継者は比較的短期間で,農業経営学の技術を迅速に身につけなければならない。第2に,農場バックグラウンドを持たない後継者にとって,農場を継承する経済的負担は顕著である。第3に,たとえ後継者が管理技術,財政基盤および他のリソースをよく身につけていても,彼/彼女が首尾よく農場を継承することができるかどうか,予想外の理由のために不確実である。これら課題を想定し,非家族の後継者への農業継承のための法人化が解決策として出現した。本論文は,この新生の農場継承配置の概観,並びにその課題および未来展望を提示した。法人化を通しての農業継承における特徴および課題を明らかにするために,本論文では農場バックグラウンドのない2人の若い農場後継者の事例研究を採用した。主要な所見から,法人化を通しての非家族メンバーへの農業継承が,非家族の後継者に以下のことを可能にすることが示された。1)より少ない財源で土地を含むより大きな資産により農業を開始する,2)効果的に前任者から生産技術,管理ノウハウおよび販売経路を継承する,3)前任者が開発したものに基づくコミュニティにおける信頼および信用をすぐに確立する,並びに4)農業からの収入を確保し,一人前の農民になる。一方,この新規継承配置において,有望な後継者と非家族の後継者を捜している農民との間のマッチングのような課題が残っており,地方の政府およびコミュニティによる支持が必要である。(翻訳著者抄録)
