抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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インドネシア,北スマトラ州のMartabe金-銀鉱床は高度に硫化した浅熱水鉱床で,新第三紀の砂岩・シルト岩・火山角礫岩及びAngkola層の安山岩から玄武岩質安山岩を母岩とする。鉱床は6つの鉱体から成り,それらは珪化した塊状鉱石(硫砒銅鉱-ルソン銅鉱-黄鉄鉱-四面銅鉱-テルル化合物),石英脈(四面銅鉱-方鉛鉱-閃亜鉛鉱-黄銅鉱),縞状硫化物脈(黄鉄鉱-四面銅鉱-閃亜鉛鉱-方鉛鉱),及び孔隙充填状を成す。全ての鉱体はN-S及びNW-SEトレンドの断層と密接に関係している。Barani及びHoras鉱体はPurnama鉱体の南東に位置する。流体包有物微小温度計と明礬石-黄鉄鉱及び重晶石-黄鉄鉱ペアによる硫黄同位体地質温度計から,鉱体間で形成温度がわずかに異なることが明らかになった。Purnama鉱体の流体包有物の形成温度と塩度は各々200~260°Cと6~8wt.%NaCl相当であった。Barani鉱体の流体包有物の形成温度と塩度は各々200~220°Cと0~2.5wt.%NaCl相当で,Horas鉱体のそれは各々240~275°Cと2~3wt.%NaCl相当であった。Barani及びHoras鉱体はPurnama鉱体に比べて珪化度が低く,硫化物がより少ない。エンタルピーと塩化化合物含量の関係から,各鉱体の鉱化作用時に熱い塩水流体と冷たい希釈流体が混合したことが示される。南東の鉱体からの石英試料のδ<sup>18</sup>O値は+4.2~+12.9‰と変化幅が大きく,その平均値は+7.0‰である。石英・重晶石・方解石のδ<sup>18</sup>O値から見積もったH<sub>2</sub>Oのδ<sup>18</sup>O値から,酸素同位体が天水のトレンド近傍にシフトしていることが確認され,これは天水の取り込みがあったことを支持している。流体包有物の塩度はPurnama鉱体の>5wt.%NaCl相当からBarani鉱体の<3wt.%NaCl相当まで減少し,鉱化作用時に流体系が異なっていたことを示している。Purnamaにおける硫化物と硫酸塩のδ<sup>34</sup>S値は各々-4.2~+5.5‰と+3.9~+18.5‰で,Horas鉱体のそれは-11.8~+3.5‰と+1.4~+25.7‰であった。南東の鉱体中のトータルバルク硫黄のδ<sup>34</sup>S(Σδ<sup>34</sup>S)は約+6‰と見積もられた。Purnama及びHoras鉱体の形成時における硫黄フュガシティの推定値は比較的高く,220~260°Cでは10<sup>-4.8</sup>と10<sup>-10.8</sup>atmの間であった。テルルフュガシティは,Purnama鉱体の場合260°Cでは10<sup>-7.8</sup>と10<sup>-9.5</sup>atmの間で,220°Cでは10<sup>-9</sup>と10<sup>-10.6</sup>atmの間であった。Barani鉱体は低いfS<sub>2</sub>下で形成され,初期段階で硫砒鉄鉱と磁硫鉄鉱が存在することから判断して200~220°Cでは約10<sup>-14</sup>atm以下で,後期段階では硫砒銅鉱と砒四面銅鉱が存在することから,10<sup>-14</sup>と10<sup>-12</sup>atmの間であった。Copyright 2017 Wiley Publishing Japan K.K. All Rights reserved. Translated from English into Japanese by JST.