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J-GLOBAL ID:201702251613873575   整理番号:17A1194826

赤血球骨髄系前駆細胞のある体細胞変異が神経変性疾患の原因となる

A somatic mutation in erythro-myeloid progenitors causes neurodegenerative disease
著者 (14件):
資料名:
巻: 549  号: 7672  ページ: 389-393  発行年: 2017年09月21日 
JST資料番号: D0193B  ISSN: 0028-0836  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: イギリス (GBR)  言語: 英語 (EN)
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神経変性疾患の病態生理学はほとんど分かっておらず,治療選択肢もほとんどない。神経変性疾患は進行性のニューロンの機能不全と喪失,そして慢性的なグリアの活性化を特徴とする。ミクログリアの活性化は一般には二次的過程と考えられているが,神経変性において有害なのか保護的なのかは分かっていない。BRAF(V600E)などのRAS-MEK-ERK経路の体細胞変異と関連したクローン性の骨髄性疾患である組織球増殖症の患者で遅発性の神経変性疾患が見られることは,神経変性において骨髄系細胞の体細胞変異が役割を持つ可能性を示唆する。しかし造血幹細胞系譜でのBRAF(V600E)の発現は,白血病や腫瘍性疾患の原因となるが,神経変性疾患は引き起こさない。ミクログリアは,器官形成期に造血幹細胞とは別の卵黄嚢の赤血球骨髄系前駆細胞(EMP)から発生する,成体組織常在型骨髄系細胞の系譜に属する。そこで我々は,そのEMP系譜のあるBRAF(V600E)体細胞変異が,神経変性を引き起こし得るという仮説を立てた。本研究では,マウスEMPでのBRAF(V600E)のモザイク発現が,組織常在型マクロファージのクローン増殖と,重篤な遅発性神経変性障害の原因となることを示す。これはマウスでのERK活性型アメーバ様ミクログリアの蓄積と関連があり,組織球増殖症患者でも見られる。このマウスモデルでは,神経行動学的兆候,アストログリオーシス,アミロイド前駆体タンパク質の沈着,シナプス消失および神経細胞死がERK活性型ミクログリアにより促進されたが,BRAFの阻害により防ぐことができた。以上の結果は,組織常在型マクロファージの胎仔性前駆細胞が,組織球増殖症の起始細胞である可能性を明らかにし,マウスにおけるEMP系譜のある体細胞変異が,遅発性の神経変性を引き起こし得ることを示している。さらにこれらのデータは,ミクログリアでのMAPキナーゼ経路の活性化が,神経変性の原因であることを明らかにしており,これは神経変性疾患で神経細胞死を防ぐことを目的とした治療介入の機会になり得ると考えられる。Copyright Nature Japan KK 2017
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分類 (2件):
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神経系の疾患  ,  遺伝的変異 

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