抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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「摩擦」を制御・利用する技術の一つとして,摩擦による発電を紹介した。摩擦に伴う接触による帯電「トライボエレクトリック」の原理と帯電量を表す式を示したのち,近年,試作に成功した米ジョージア工科大学の「トライボエレクトリック発電装置」の構造と作動原理を説明した。次に,JR東日本と慶応大学で研究・開発中の摩擦の圧力,圧電気(ピエゾ発電)による「圧電効果」を利用した「床発電システム」を紹介した。「圧電素子」,「発電ユニット」,「蓄電制御装置」で構成され,床に埋設された発電ユニットが踏まれることで発生した電力は蓄電制御装置に蓄積される。発電能力や耐久性の改善のために,2006年度から2008年度に東京駅で実施された計3回の実証試験について,都度行った改善内容と共に説明した。試験結果は,1通路当たり,1人の通行による発電量は最大で4.3W秒,システム全体としては1日当たり最大で940kW秒の電力量が発電できた。実証試験における発電量の推移(最終的発電能力は1回目の約40倍)と耐久性の推移(最終的には約3週間経過後,発電量の95%を維持)を示した。床発電システム導入例として,サッカーサポーターの応援で発電される「ノエビアスタジアム神戸」を挙げ,発電量の計算事例を示した。発電量は微小であるが,電源工事無しに電気や情報のやり取りが行えるメリットから仮設物電源や無電源センサー機器に活用の可能性があると述べた。