抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
本稿では,会計不正が生産性の低さを隠蔽するための,ひとつの手段となっている可能性を実証的に分析する。標準的な生産関数を前提とすれば,生産性の劣る企業は,生産性にすぐれた企業よりも,同じ生産量に対してより多くの投資を必要とする。したがって,投資の大きさは,結果的に観察不可能な生産性を暗示する間接的なシグナルとなる。このとき,劣悪な生産性の高さを知られたくない企業は,現在手掛ける投資水準が妥当であることを主張するために,費用の過小計上を試みる可能性がある。それは,価格に対して限界費用を十分小さく見せかけることができるなら,一見過剰な投資水準でも均衡生産量を実現しているように偽ることができるからである。以下の分析では,とりわけ2010年から2013年に発行された年次訂正報告書を調査したうえで,利益を減額訂正した企業のデータをもちいて,この仮説が企業行動の実態に符合することを実証する。(著者抄録)