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J-GLOBAL ID：201702254701443155   整理番号：17A0615470

大阪湾における溶存有機物の起源推定および栄養塩の形態変化

著者 (7件)： 小林志保 (京都大学フィールド科学教育研究センター) ,  松村圭高 (京都大学農学研究科) ,  河村耕史 (大阪工業大学工学部) ,  中嶋昌紀 (大阪府立環境農林水産総合研究所) ,  山本圭吾 (大阪府立環境農林水産総合研究所) ,  秋山諭 (大阪府立環境農林水産総合研究所) ,  上田幸男 (徳島県立農林水産総合技術支援センター)
資料名： 水環境学会誌(Web)  (Journal of the Japan Society on Water Environment (Web))
巻： 40  号： 2  ページ： 97-105(J-STAGE)  発行年： 2017年 
JST資料番号： U0148A  ISSN： 1881-3690  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 半閉鎖性海域における健全な物質循環の回復に向けて, 陸域から供給された溶存無機態の窒素・リン (栄養塩) が, 海域の食物連鎖を通じて生物生産に結びつく過程を明らかにすることは重要な課題である。本研究では, 河川から大阪湾に供給された栄養塩の形態変化とその後の挙動を現場観測によって調べた。溶存有機物の安定同位体比から, 湾内の溶存有機物の分布は河川からの供給だけでは説明できず, 海域で生成される溶存有機物が存在することが明らかになった。またそれらは外海側に保存的に拡散しており, 河川から大阪湾に供給された栄養塩のうち湾奥で植物プランクトンに取り込まれて溶存有機態となった窒素等については, 大部分が再び栄養塩に戻ることなく湾外に流出していたと考えられた。さらに, 溶存有機物を基質とする従属栄養細菌, 栄養塩を基質とするシアノバクテリアを経由して微生物食物網に取り込まれる窒素も相当量あることが明らかになった。(著者抄録)

シソーラス用語： *栄養塩類 ,  湾 ,  *有機物 ,  閉鎖性水域 ,  窒素 ,  リン ,  *食物連鎖 ,  植物プランクトン ,  藍藻類 ,  細菌 ,  *海洋生物 ,  海洋微生物 ,  海洋汚濁
準シソーラス用語： 大阪湾 ,  *溶存有機物 ,  従属栄養細菌

著者キーワード (10件)： 半閉鎖性海域 ,  栄養塩 ,  安定同位体比 ,  溶存有機物 ,  微生物食物網 ,  Semi-enclosed coastal seas ,  Nutrients ,  Stable isotope ,  Dissolved organic matter ,  Microbial loop

分類 (2件)： 海洋汚濁  (SB02040B) ,  生態系  (EE01040P)

引用文献 (33件)：

• 1) 藤原建紀, 2011. 瀬戸内海の栄養塩と生物生産. 日本水産学会誌 77 (1) , 111.
• 2) 反田實, 赤繁悟, 有山啓之, 山野井英夫, 木村博, 團昭紀, 坂本久, 佐伯康明, 石田祐幸, 壽久文, 山田卓郎, 2014. 瀬戸内海の栄養塩環境と漁業. 水産技術 7 (1) , 37-46.
• 3) Azam, F., Fenchel, T., Field, J.G., Gray, J.S., Meyer-Reil, L.A., Thingstad, F., 1983. The ecological role of water-column microbes in the sea. Marine Ecology Progress Series 10, 257-263.
• 4) 小山由美子, 藤田昌史, 信岡尚道, 三村信男, 2010. 浮遊細菌群の動態を考慮した汽水域生態系モデルの構築. 土木学会論文集B2 (海岸工学) 66 (1) , 1141-1145.
• 5) 大西由花, 山口篤, 今井一郎, 2014. 北海道東部厚岸湖および厚岸湾における微生物食物網を構成する微生物群の春季から初夏の変動. 北海道大学水産科学研究彙報 64 (2) , 45-54.

タイトルに関連する用語 (5件)： 大阪湾 ,  溶存有機物 ,  起源 ,  推定 ,  栄養塩