抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
佐賀大学では浮力体,L型の水中ダクト,空気室,タービン,発電機からなる浮体式の振動水柱型波力発電装置「後ろ曲げダクトブイ(BBDB)」を研究している。本論文では,水中ダクト内の振動水柱の固有周期を装置設備海域に入射する卓越波の周期に一致させ,発電量の向上を図るために二次元BBDBの非線形波浪中挙動解析法を紹介した。BBDBの最適設計には入射波と共振状態での浮体運動や,振動水柱の挙動を精度よく計算する必要がある。まず,浮体運動に伴う浮体端部から生じる渦の生成と拡散,振動水柱の壁面摩擦による減衰などを考慮できる粘性流体解析法として渦法を用いる計算手法を説明した。渦法は浮体に働く流体力計算などに課題が残っているので,滑らかな物体表面から流体領域への渦度の生成と拡散には渦層モデル,物体の各部から発生する渦度の表現にはVorticity sheddingモデルを用いた。また,水を粘性流体として扱うので浮体没水部の表面には流体圧力と摩擦力が作用するものとして,BBDBの二次元運動を計算する方法を示した。実際にBBDB模型を用いた水槽実験を行い,入射波の周期を変化させたときの計測値からBBDBの一次変換効率を求めたところ,本方法での計算結果は実験結果と概ね一致した。