抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
2015年5月に広帯域計量魚探機としてリリースされたSimrad社のEK80新世代科学魚探システムは,2001年にリリースされたEK60科学魚探システムの後継機種である。本文では,旧型のEK60の特長を基に,新しいEK80を紹介する。EK60から使用されたコンポジット・トランスデューサは非常にバンド幅の広い(ワイドバンド)トランスデューサである。EK80は,EK60の高精度な測定,操作の簡便性と拡張性はそのままに,10~500kHzの周波数に対応した新しいワイドバンド送受信装置(WBT)を採用することで,従来の科学魚探システムが利用している連続波(CW)に加え,送信パルス内で低周波から高周波まで周波数を変調させるFMチャープ波を送信することを可能とした。2009年4月~2012年4月までの約3年間に亘ってノルウェーのベルゲン海洋研究所とアメリカ海洋漁業局を中心にした技術的挑戦プロジェクトWESTZOO(動物プランクトン特性解析,サイズ分類及び資源量評価のための新しいワイドバンド魚群探知装置技術の開発)が実施された。プロジェクトの主な目的は,スプリット・ビームとワイドバンド技術を組み合わせて利用することで,正確な種判別,サイズ分類,資源量評価を行うことである。調査船に装備して使用する従来のシステムでは,長期間の時系列データを取得できない,深海に生息する小型の魚とプランクトンの現場TS(ターゲット・ストレングス)を測定できない等の問題があった。この問題を解決するため,自律型の広帯域送受信装置(WBAT)が開発された。