抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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目的:非小細胞肺癌(NSCLC)の微小環境におけるマクロファージの分極の重要な因子及びそれがNSCLCの進行を促進する作用機序を検討し、NSCLC治療の潜在的な標的を探求する。方法:単核細胞をA549細胞と共培養し、フローサイトメトリー、酵素結合免疫吸着実験及びリアルタイム蛍光定量PCR法によりCD14+CD163+M2型マクロファージの割合を測定した。培養上清におけるマクロファージのコロニー刺激因子(M-CSF)の含有量とM-CSF mRNAの発現レベルを測定した。A549細胞の浸潤と血管新生に及ぼすCD14+CD163+M2マクロファージの影響を,Transwell移動実験と血管新生試験によって検出した。NSCLC組織におけるM-CSF mRNAの発現をリアルタイム蛍光定量的PCRによって検出し,NSCLC患者におけるTNMステージと予後との関係を分析した。結果:単核細胞とA549細胞を共培養した後、CD14+CD163+M2型マクロファージの割合と培養上清中のM-CSFの含有量はそれぞれ(12.03±0.46)%と(299.80±73.76)pg/mlであった。単核細胞は,それぞれ(2.80±1.04)%と(43.07±11.22)pg/mlであった(P<0.05)。ヒト組換え型M-CSFは単球にCD14+CD163+M2型マクロファージを分極させることができ、Transwell移動実験の結果を示した。A549細胞とCD14+CD163+M2マクロファージの培養上清におけるA549細胞の移動細胞数は,それぞれ26個/視野と66個/視野であり,統計的有意差が認められた(P<0.01)。ヒト臍帯静脈内皮細胞系(HUVEC)とCD14+CD163+M2型マクロファージ培養上清群のHUVECの微小血管密度は,それぞれ8個/視野と22個/視野であり,有意差が認められた(P<0.01)。I~II期とIII期~IV期のNSCLC組織におけるM-CSF mRNAの発現レベルはそれぞれ16.23±4.83と53.84±16.08であった。M-CSF mRNA発現は,I-II期(P<0.05),M-CSF低発現群(26例)および高発現群(27例)におけるそれらより有意に高かった(それぞれ,26.3か月および21.4か月)。統計的有意差が認められた(P<0.01)。進行のない生存期間の中央値は,それぞれ25.3か月と16.6か月であり,有意差があった(P<0.01)。【結論】M-CSFによって誘発された単球は,CD14+CD163+M2型マクロファージに分極し,M2型マクロファージは,NSCLCの転移と血管形成を促進することができ,そして,M-CSFは,NSCLCの潜在的治療標的となる可能性がある。Data from Wanfang. Translated by JST【JST・京大機械翻訳】