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J-GLOBAL ID:201702256608954073   整理番号:17A0483943

森林資源を最適利用するための技術開発-新世代林業育種を短期間で作出するための技術開発-第3章 新世代林業種苗の増殖技術の開発 2 高精度,高効率な交配種子生産技術の開発

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号: 571  ページ: 56-65  発行年: 2017年03月31日 
JST資料番号: S0070A  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: 日本 (JPN)  言語: 日本語 (JA)
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新世代林業種苗の高い性能を確実に伝える種子の生産,さらには次世代の母材料の効率的な創出を目的とし,交配温室を利用した高精度,高効率の交配種子生産技術の開発を行った。人工交配用に開発された交配温室で効率的に交配種子を生産するための諸条件を明らかにした。(ア)交配温室内の環境条件の把握:温湿度計を用いて,野外及び交配温室内に設置された交配用ブース内の温湿度を計測した。結果ブース内は野外と比較して平均気温が5°C程度高く,平均湿度が4%程度高いことが明らかになった。(イ)交配温室内における交配適期の把握:ブース内における交配適期を調査するため,野外とブース内に同一クローンを配置し,雌花の開花フェノロジーのずれを調査した。その結果ブース内では野外と比較して20日程度早く開花した。また,ブース内での受粉可能期間を調べるため,デジタルカメラを用いて定点撮影を行い,珠孔液の分泌期間の調査を行った。その結果2~3週間程度珠孔液の分泌が確認されブース内における雌花の交配に適した期間が2週間程度であることが明らかになった。さらに,ブース内における花粉の生存期間を調査した結果,約6割の花粉が2週間程度生存可能であることが明らかになった。これらの結果から,ブース内で交配に適した期間は2週間程度であることが明らかになった。(ウ)交配温室を活用した効率的な交配条件の検討:交配温室を活用した交配種子生産技術の開発に向けて,風,花粉密度,花粉の投入回数が交配精度に及ぼす影響の調査を行った。その結果,送風量23m3/分程度のファン2台が作り出す風を利用し,ブースあたり2g以上の花粉を1度にまとめて投入することで効果的な人工交配が可能であることが明らかになった(花粉密度は1g/m3程度)。また,温室内に設置した苗木が生産する花粉のみで交配を行う「相互交配」において,全体の約2/3の雄花が開花した以降のタイミングでファンを回すことによって花粉親として交配に関与する系統数が増えることが明らかになった。(エ)健全な種子形成に必要な環境条件の把握:健全な種子形成に必要な環境条件の把握を行うため受粉前,受粉中,受粉後の3つの期間において,ブースの窓の開閉によりブース内温度を変化させ,成熟種子の形成が可能な温度条件の検討を行った。その結果受粉後の期間に,ブース内最高気温40°C前後の日が4日程度あったとしても,発芽率に大きな影響認められないことが示唆された。(オ)実証試験:本研究課題で検討した交配条件をもとに,21ブース,56交配親クローン159ラメートを用いてブース内交配の実証試験を行った。同年10月に球果を採取し,精選後の粒を数え重量を測定した。雌花の確認できた56交配親クローン148個体すべてから種子を得た(図32-9,3粒~2,905粒,中央値482粒)。得られた種子の100粒重(50粒以上のラメート平均,最多で非復元3回抽出)は,平均0.24g(SE0.006g)と一般採種園と比べても遜色ない値であり,500粒以上採種できた58個体について発芽率検定を行った結果,平均種子発芽率が50%を示した。一般的な種子発芽率が20~30%であることを考慮すると効果的な人工交配を行うことができたと考えられ,交配温室を利用した高精度,高効率の交配種子生産技術を開発に成功した。(著者抄録)
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分類 (3件):
分類
JSTが定めた文献の分類名称とコードです
作物の品種改良  ,  造林一般  ,  発生,成長,分化 

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