抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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鳥取県内のナシ園では,毎年大量の廃棄枝が剪定によって発生する。本研究では木質資源の有効活用法の一つとして,木材腐朽菌によるナシ剪定枝の堆肥化を試みた。実験では木材腐朽菌Trametes versicolor(カワラタケ)TUES-036株,Steccherium murashkinskyi(ニセニクハリタケ)FK-T1株,並びにPleurotus ostreatus(ヒラタケ)TUES-011株を用い,これらの菌糸をナシ剪定枝から調整した木粉培地に接種して,25°C,30~90日間培養を行った。そして培養後の菌処理した培地バイオマス全体の重量,木材成分,炭素原子,並びに窒素原子の含有量と,炭素と窒素の元素量比(C/N比)を調べた。その結果,T.versicolor,およびS.murashkinskyiで処理したものでは60日間で40%以上のバイオマス量の減少,窒素量の増加に伴うC/N比の著しい低下が認められた。バーク堆肥の完熟基準と比較して,両菌株で処理した木粉のC/N比の値は一般的なバーク堆肥としてみなされるものであった。本研究によって,木材腐朽菌処理がナシ剪定枝の堆肥化に効果があることが明らかとなった。(著者抄録)