抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
高赤方偏移源によって放射された重力波は,現在の測定可能な加速膨張期を含め,宇宙の種々の時期を伝搬する。歴史的には,Friedmann-Lemaitre-Robertson-Walker(FLRW)時空のような宇宙論的背景での伝搬効果の現在の理解は,平坦時空における”遠方波動域(far-awy wavezone)”計算から借りてきた手法に重く依存している。特に,FLRW時空上の物理系によって放射された重力波パワーの計算は,1/r展開および放射自由度を取り出すための代数的射影の使用などに基づいている。最近の仕事によって,de Sitter時空上では,これら計算手法および近似は適用できないことが示され,1/r展開は”後期時間(late time)”展開で置き直すべきであること,代数的射影の代わりに,微分方程式のセットを解くことにより摂動の横-トレースレス部分の計算を用いる必要があることなどが示された。この論文では,最近発見された,de Sitter背景上の源によって放射される重力パワーに対するこのような手法による一般的公式に基づき,de Sitter背景上での連星系によって放射されるパワーを計算した。連星系は,軌道運動が円形軌道によってよく近似されるものに限った。遠方波動域手法を用いて計算したFLRW時空におけるこの源によって放射されるパワーの通常の表現は,高振動数近似におけるde Sitter背景に特化した”後期時間(late time)”展開と同じ表現を与えることを示した。