抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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和牛の繁殖成績向上のための組織的取組の重要性を提言するとともに,膣内留置型黄体ホルモン製剤を用いた分娩後早期授精事例を紹介した。宮崎県の肉用牛の農家ごとの平均分娩間隔は,平均値415日で,最頻値は395日,中央値は405日であり,半数の農家の分娩間隔は405日以下であった。繁殖成績改善のための組織的に取り組む場合の留意点としては,地域,地区の繁殖状況の現状把握を行うことである。平均値よりも良好な農家にはそのまま維持してもらい,平均値より劣る農家から集中的に改善を試みる。農家に直接接する和牛登録部門が飼養農家の牛の分娩後日数を勘案して,注意喚起をする。分娩後2か月たっても発情が認められない牛や授精後40日以上経過している牛の妊娠鑑定を受けるように指導している。理想的な和牛繁殖経営の目標は,「1年1産」である。そのためには分娩後早期に授精させることが必要となる。分娩後1ヶ月程度でイージーブリード(以下ブリード)を膣内に挿入し,その後8日から14日に抜去することで発情回帰を誘導し,分娩後早期の受胎に繋がる。本方法のメリットは,1)安価でできる,2)ブリードの挿入時期は分娩後1ヶ月からと大まかである,3)ブリードの抜去は畜主自身が行う事が出来,畜主が分娩後発情の観察に主体的に取り組む端緒,意識付けとなる,4)ブリード挿入牛の発情観察は,ブリード抜去後数日のみである,5)ブリード抜去後の授精により受胎しなかった場合でも,その後の発情で授精ができる。