文献

J-GLOBAL ID：201702259567145460   整理番号：17A0481202

早生の低アミロース新品種「きらほ」の育成

Breeding of a New Rice Variety with Early Maturity and Low Amylose Content “Kiraho”

著者 (14件)： 仲條眞介 (岩手県農業研究セ) ,  佐々木力 ,  菅原浩視 ,  阿部(川代)早奈恵 ,  木内豊 (岩手県農業研究セ) ,  木内豊 (県北農業研) ,  田村和彦 (岩手県農業研究セ) ,  田村和彦 (岩手生物工学研究セ) ,  宍戸央子 ,  高草木雅人 (岩手県農業研究セ) ,  高草木雅人 (県北農業研) ,  阿部陽 (岩手県農業研究セ) ,  遠藤あや (岩手県農業研究セ) ,  神山芳典 (岩手県農業研究セ)
資料名： 岩手県農業研究センター研究報告  (Bulletin of the Iwate Agricultural Research Center)
号： 16  ページ： 23-39  発行年： 2017年03月 
JST資料番号： G0600C  ISSN： 1346-4035  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 「きらほ」は,2002年8月にアミロース含有率変動の少ない早生の低アミロース品種を目標として,岩手県農業研究センターにおいて,「ミルキープリンセス」を母,「岩手61号」を父として人工交配を行い,その後代から選抜育成された品種である。2006年から生産力検定試験,特性検定試験に供試し,2008年に「岩手91号」の系統番号を付し,奨励品種決定試験に供試して有望と認められた。「きらほ」のアミロース含有率は約9~12%と他の低アミロース品種よりも年次変動が少ない。玄米はわずかに白濁するが良質である。炊飯米の粘りが強く,食味の総合評価は「いわてっこ」並から上回る。熟期は「いわてっこ」並で岩手県中北部で栽培が可能な低アミロース品種である。障害型耐冷性は“極強”,耐倒伏性は“やや強”,いもち病真性抵抗性遺伝子型は“Pii”と推定され,その圃場抵抗性は葉いもちは“やや強”。穂いもちは“極強”である。穂長がやや短く,穂数が少ないため「いわてっこ」に比べ少収であるが,推奨する栽植密度と施肥量の遵守で600kg/10aの収量確保が可能である。「きらほ」は岩手県中北部の気象条件下でアミロース含有率が安定しており,冷凍米飯等に利用できる品種である。2013年に品種登録申請し2015年に品種登録された(登録番号24582)。(著者抄録)

シソーラス用語： *作物育種 ,  新品種 ,  栽培品種 ,  *米 ,  耐病性 ,  耐冷性
準シソーラス用語： *水稲育種 ,  早生種 ,  *低アミロース米 ,  いもち病抵抗性

分類 (2件)： 作物育種一般  (FC02010K) ,  稲作  (FC03020C)

引用文献 (18件)：

• 中場勝,櫻田博,結城和博,佐野智義,中場理恵子,佐藤久実,横尾信彦,本間猛俊,佐藤晨一,宮野斉,水戸部昌樹,佐藤久喜,渡邊幸一郎(2006). 低アミロース米新品種「ゆきの舞」(山形84号)の育成.山形農事研報 38:1-23.
• 江川和徳(1995).c.冷凍米飯.“シリーズ食品の科学 米の科学”,竹生新治郎監修 石谷孝佑,大坪研一編,朝倉書店.東京 pp159-160.
• 藤井潔,早野由里子,杉浦直樹,林長生,坂紀邦,遠山孝通,井澤敏彦, 朱宮昭男(1999).イネ縞葉枯病抵抗性品種が有する穂いもち抵抗性の遺伝子分析.育雑 1:203-210.
• 東正昭,斉藤滋,滝田正,山口誠之,春原嘉弘,横上晴郁,池田良一,田村泰章,小山田善三,小綿寿志,井上正勝,松本定夫,片岡知守(1999).低アミロース米新品種「スノーパール」の育成.東北農試研報 95:1-12
• 伊勢一男,赤間芳洋,堀末登,中根晃,横尾政雄,安東郁男,羽田丈夫,須藤充,沼口賢治,根本博,古舘宏, 井辺時雄(1999).低アミロース良食味水稲品種「ミルキークィーン」の育成

タイトルに関連する用語 (2件)： アミロース ,  新品種