抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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農業分野での障害者就労に取り組む福祉事業所等では,障害者に加え,生活困窮者を受け入れてきた事業所がある。本研究では,そうした先駆的な事例を分析し,農業や生産関連事業での生活困窮者の就労支援についての事例をあげ,支援の特徴と課題について述べた。和歌山市の社会福祉法人一麦会(麦の郷)における農産物直売所での就労訓練およびカフェ事業での就労訓練状況を詳細に分析した結果,農業関連分野での生活困窮者の就労訓練は,地方でも実施が可能であり,地域社会との連携,あるいは地域のニーズに応じた事業を行うことで,生活困窮者自身も社会に貢献している実感を得やすくなることが明らかになった。他方,課題としては,生活困窮者への就労訓練に対しては助成を行う仕組みがなく,実施主体の経済的な負担が大きい点にあった。しかし,2016年度から生活困窮者への就農を含めた就労を支援する新規事業が厚生労働省によって講じられることとなり,今後が期待された。