抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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東南アジア諸国では人口増加,水需要の高まりから上水道の整備が進んでいる。それに伴い生活排水処理の重要性が高まっており,基本的な衛生の改善をさらに進めると同時に,生活排水の処理を図り積極的に環境を保全していく段階にある。下水道の普及が遅れているなか,本稿では分散型処理である腐敗槽に着目して普及状況,処理性能を俯瞰し,生活・排水処理に要するコストについて集合処理である下水道と比較した。各国で広く普及している腐敗槽は,下水道に対して経済性の面において高いアドバンテージを有している一方,処理性能は下水処理施設のそれと比較して著しく低い。し尿のみを処理の対象とし生活雑排水は垂れ流しとなっている例が数多く存在し,また,腐敗槽汚泥の収集・処理について,いくつかの参考とすべきシステムが存在するものの,ほとんどの地域ではそれが確立されていないといった問題について言及した。下水道整備には長期間を要し,とくに地方の中小都市ではその整備すら長年にわたって行なわれない可能性がある。そのため,腐敗槽が有する問題を解決しつつ,既存の腐敗槽を有効に活用した分散型処理を改めて検討する余地があると考えられる。とくに,富栄養化の制限因子である窒素およびリン対策も考慮した水環境を保全するシステムの構築が重要といえる。(著者抄録)