抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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2016年11月30日の第171回OPEC総会で,8年ぶりの減産が正式決定された。今回の減産合意は,事前予想を覆すものであり,市場は早期の需給均衡回復への取組と評価した。今回の生産上限(3250万BD)が遵守されれば,十分なインパクトを持つ水準であり,非OPECによる55.8万BDを加えれば,削減幅は,世界の石油供給の2%弱とインパクトが増す。今回の決議で最も注目されるのは,減産実施はロシアを含む非PEC産油国の60万BD減産を前提としている点が,画期的である。非PEC産油国との協調を,OPEC決議条件の前提とするには,初めてである。これにより,世界の需給調整の対象範囲は,NGLやコンデンセートを含めたOPEC石油供給シェア42%から,「拡大OPRC」(PPEC+ロシア+メキシコ+オーマン)57%と大きく広がった。さらに,「拡大OPRC」が需給調整によって設定する価格水準の下で,米国のシェールオイル業者は,限界生産者として生産調整を行うこととなる。サウジ,ロシア,米国の3大産油国が主導する国際石油市場の新時代が到来したのは,シェール革命が引き起こした地政学的影響かもしれない。