抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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質量M,無次元スピンパラメータχの重いスピンニングKerrブラックホール(BH)の重力場において,質量mの恒星質量天体に対して,非常に偏心的な軌道への初期入射からBHへの突入までの発展を考えた。そのため,まず,テスト粒子の軌道運動の保存部分に対してポストニュートン(PN)近似の3PN次まで成立する2体運動方程式を求めた。これには,フレームドラッギング,4重極モーメント,および(スピン)
2効果が含まれる。また,この方程式は,重力放射によって引き起こされる散逸的部分に対しては,スピン-軌道結合の4PN次効果を含め,4.5PN次まで成り立つ。BHに接触する軌道要素に対する発展方程式は,2-時間スケール法を用い,各軌道要素を軌道平均された部分と軌道時間スケールで変化する部分に分離し,長時間スケールでの平均要素の変化に対する永年変化の部分と周期的変化の部分の両方に対する方程式を導いた。高PN展開を行うため,惑星方程式を注意深く高次まで逐次的に繰り返した。Carter定数が臨界値以下に落ち,物体が次の最接近で地平線を横切って突入する,軌道の終焉に対する判定基準を導いた。結果は,任意の離心率と任意の傾斜角に対して成り立つ。次に,まわりの星のクラスター内の相互作用を介して高離心率軌道に入射した天体の軌道を数値的に解析し,入射から突入までの軌道数と経過時間を求め,突入における残存軌道離心率を傾斜角の関数として求めた。初期軌道変数を用いて,突入時間に対する解析的近似を導いた。BHが急速にスピンニングしていれば,突入前の最終軌道中の重力放射のフラックスは,赤道面上で,もし軌道が逆行性であれば,前向性のものに比較して,その大きさが3桁抑制されることを示した。