抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本論文は,福島原発事故の地価への影響に関し,ヘドニック・プライシングモデルによる影響分析について報告した。先ず,2011年3月に発生した東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故は,広範囲に放射性物質を放出させる重大な原子力関連事故となり,世界的な注目を集めたこと,どの程度その要因が地価に影響を与えているかを分析する分析モデルをヘドニック・プライシングモデルと呼ぶこと,本稿では,これまでのヘドニック・プライシングモデルを適応した先行研究について,とくに災害や放射線リスクに関するものに焦点を当ててレビューするとともに,分析事例を示し,福島第一原子力発電所の事故による放射性リスクの地価に対する影響について考察すること等を報告した。次に,環境,災害および放射線リスクが地価に与える影響,分析方法およびデータについて報告した。更に,分析結果,放射線量の地価影響推計について報告した。最後に,考察と課題として,本研究では,福島県,宮城県を対象に福島原発事故に伴う放射線リスク増加に対する地価への影響について,ヘドニック・プライシングモデルを応用し,推計を行ったこと,地域住民等は放射線量を考慮した不動産取引を行っており,放射線量のリスク評価が市場で行われている結果の頑健性を示していること等を報告した。