抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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彗星は,ダスト(ケイ酸塩鉱物の粒子)が,H<sub>2</sub>OやCO<sub>2</sub>を主成分とした氷で固まった直径数km程度の天体(彗星核)である。彗星核から揮発分が蒸発すると,そのガス圧により核に含まれるダスト粒子が放出され,ダストはそれぞれの軌道をたどりながら核から離れていく。その結果,拡散した無数のダストが,観測時間において太陽光を散乱して見えるのがダストテイルである。様々なt(時刻)と放出された特定のβ(ダストに働く放射圧と重力の比)を持つダストの一群は,太陽重力の影響は等しく受けるものの,放出時刻が異なるため,放出時刻から長い時間を経たダストほど彗星核から遠くに位置することになる。これらを結んだ曲線をシンダイン(等斥力線)と呼ぶ。ダアストの放出初速度を考えることで,シンクロンやシンダインに沿って拡がるダストシェル(球殻)のモデルを導入し,その重なりを考慮することによりダストテイルの輝度分布を再現するのが,Finson&Probstein(FP)法である。FP法への逆問題の適用として,ダストテイル輝度分布からの逆解析法が,フューレにより提案された。最大の特徴は,パラメータを仮定して表面輝度を得るのではなく,観測による表面輝度をデータソースとして,代数的に求めたい関数を得るというものである。また,ダストのサイズ分布は,時刻により変化するものと考えている。