抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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2016年11月にモロッコのマラケシュで開かれた気候変動枠組条約第22回締約国会議(COP22)では,世界共通の長期目標として気温上昇を2°Cに設定,1.5°Cに抑える努力を追求することが言及され,主要排出国を含むすべての国が削減目標を5年ごとに提出・更新すること温暖化防止の面からも世界の脱化石燃料化を推進するパリ協定が批准された。脱化石燃料に向けて省エネルギー性と再生可能エネルギー利用に優れているヒートポンプが注目されている。ヒートポンプは,既に家庭や業務部門で広く普及しており,産業部門でも冷凍装置などで活用されている。今後,産業部門においてヒートポンプの導入が期待できる領域として自家蒸気生産がある。2013年度の自家蒸気消費量は1,281[TJ]で,わが国の一次エネルギー総供給の5.8%になる。自家蒸気の生産が多い部門は,主に化学工業,パルプ・紙・紙加工製造業,石油製品・石炭製品製造業,鉄鋼業,食料品製造業で,燃料の7割は石炭,重油,都市ガスといった化石燃料が使われている。今後,ヒートポンプが持つ特性を生かせば,自家蒸気生産の省エネルギーと二酸化炭素排出量が大幅に改善される。ここでは,産業用ヒートポンプについて,技術システム,冷媒,将来の市場性,普及に向けた課題などについて解説する。(著者抄録)