抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
列状間伐後5~7年経過したヒノキ人工林32林分について,林床の下層植生量(木本類植生量,全植生量),植被率(木本類植被率,全植被率),植生高をそれぞれ目的変数,斜面勾配,伐開幅,残存幅,残存木の平均樹高,ササ類の有無を説明変数とし,数量化I類分析を行った結果,いずれも1%水準で有意な予測モデルを求めることができた。このモデルを用いて,列状間伐について,異なる伐採方法での全植被率,木本類植被率の推移をそれぞれ予測すると,ともに4残3伐が最も高い数値が得られたが,現状の伐採率を考慮すると,4残2伐(伐開幅約5.2m)が現実的であると想定された。一方で,2残1伐の場合は,全植被率及び木本類植被率は伐採幅が2伐以上の場合に比べ,明らかに低下していた。また斜面勾配が35度以上に達すると,全植被率及び木本類植被率とともに,急落傾向が認められたことから,このような斜面では,土留め工等の対策を講じる必要があると考えられる。岡山県北部一帯では,ササ類の定着が顕著なエリアとそうでないエリアに区分され,前者では,ササ類,後者では木本類の侵入・定着を基本とした下層植生の管理が第一と考えられる。下層に定着した木本類のうち,樹高が1.2m以上で,かつ高木層を形成する樹種は5種しか認められなかった。木本類の植被率を70%以上期待するためには,30本/m
2,樹高1.2m以上の個体に限っては5本/m
2程度それぞれ定着する必要があることが示唆された。(著者抄録)